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From...「至耕作吾(しこうさくご)」な生活の楽しみ方

 出勤前の朝夕に畑で作物を作り始めて6年目を迎えます。マンション生活の私にとって土を耕し、農作物を育て、収穫し、食すことは、これまでの人生の中で考えたこともない活動でした。日常の野菜は買って食するものと考えていた私が野菜作りを始めたきっかけは、マンションから歩いて2分の場所に市民農園がオープンしたことでした。
 その土地はもともと水耕田でしたが、持ち主の方が高齢となり耕作を放棄され、その土地の有効活用として市が市民農園として改良を加え、広報誌に借用者の公募を掲載しました。私の借用している畑の区画は5×7mで、年間7千円の借地料です。24区画に整備された畑の借用を抽選で勝ち取って6年目となり慣れが生じ始めた今日この頃ですが、1年間フルに活用し、年間20品種強を育てて食しています。

 当初より日々の農作業の記録をノートに記しています。借用当初の1冊目の始まりを読み返すと、畑作りに燃えていた頃を思い起こします。借用した区画は水耕田の上に盛り土がなされた状態で、すぐに野菜の苗を植えられる状況ではありませんでした。引き渡しの日に借用地に出向き、四角に区画整理された空間に何をどのようにすればよいのか、ちょうど真っ白なキャンバスに対峙した時の様な心境でした。まずは、土を耕すための農具と盛り土に絡ませる肥料、そして、畑のキャンバスを彩る野菜の苗や種を購入して農作業を開始しました。最初の収穫物は、開始2ヵ月後となる6月初旬のキュウリでした。収穫までに投資した金額を計算すると、最初のキュウリ1本は約3万円でした。収穫したばかりの刺々しいキュウリはその日の朝食に浅漬けとして食したことをノートに記しています。初年度は(現在もですが)、多くの失敗を繰り返しました。大根、ホウレン草、サトイモ・・・、どのような野菜でも畑に入れて、水を施せば何でも収穫できると思っていたのが大間違いでした。無知では野菜を作ることは出来ないことを知りました。そこから、野菜作りのテレビ番組を視聴し、書籍を購読し、そして、区画の中でも上手に野菜を作る方に指導を仰ぎました。

 野菜作りの楽しさは、出来不出来が自分の関わり方次第で作物に現れることです。毎年、同じように行っているつもりでも何かしら異なった結果としてでることに試行錯誤することが、当て字となる「至耕作吾」のように日々の自分を見つめなおす機会ともなっています。

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CAMPING174号より

この「From...」は、日本キャンプ協会 星野敏男会長・神崎清一専務理事・平田裕一常務理事・藤枝隆常務理事が担当し執筆しています。