ホーム < From...「キャンプ」の意味

$sfKeyword$

From...「キャンプ」の意味

 今年の夏も、いくつかキャンプに行き、山や川でこどもたちと楽しい時間を過ごしてきました。一緒に遊んだこどもたちにとって、キャンプや山あそび、川あそびはどのように意味づけられていくのかなぁなんてことを考えました。
 私が子どもの頃は、「山あそびに行ってくる」とか「川あそびをしてくる」という言葉をよく使っていました。最近思うのは、この山あそびや川あそびの「山」や「川」には、もっとたくさんの意味、つまり、場所としての山や川という意味ばかりでなく、敢えて言えば、そこで暮らす人たちの生活や文化にかかわる意味が含まれていたのだなということです。
 地域の大人の人たちが使う「やま」は、その地域の樹木や生物全般を含んだ自然環境全体としての山域をあらわす山であり、「かわ」は、川に棲む生きものはもとより、淵や流れ、河原など、河川域全体を指す川として使われていました。私が育った地域では、大人たちが使う「川あそび」ということばには、川で魚を獲ってくるという強い意味が含まれていました。私たちこどもの方にも、川で魚を獲るという大人と共有された川あそび体験があるので、川あそびに行くということが魚を獲ってくるという意味としてお互いに受けとることができていました。
 言葉の意味は、受け手の側の体験コードを介して理解されていきます。体験が共有されていますと、言葉も意味を含んで受け手側に伝わっていきます。小学校の体育の時間に鉄棒をしたことがある人には「校庭の鉄棒」と聞いただけで、校庭の砂場や、そこにある鉄棒のたたずまい、逆上がりなど、瞬時にあれこれ思い浮かべることができるのと同じです。
 テントに寝たことのある子どもにとって「テント」の文字やことばは、テントが単にキャンプで泊まるための道具という以上の、たくさんの意味を含んだことばとなっているはずです。同じテントに寝泊まりした仲間同士であれば、更に多様な意味付けもされるでしょう。
 この夏、「キャンプ」を体験した子どもたちは、キャンプにどんな意味を含ませて家に帰っていったでしょうか。

from167.jpg
CAMPING167号より