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From...キャンプの主人公って?

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 キャンプの中でキャンパーの主体性を尊重するということと、キャンプカウンセラーが介入することとの矛盾がよく話題になる。私たちはともすると、キャンパーの主体性をルールや指示で制限してしまう。また私たちは、キャンプをすることで、キャンパーの成長と同じくらいボランティアのキャンプカウンセラーの成長を期待している。そこでキャンプの主人公はキャンパーなのかボランティアなのかという問いも生じる。
 それと同じことが、今、被災地でも起こっている。
 ボランティアの存在が被災地の自立を阻害しているという話である。たとえば、ボランティアがたくさんいるからという理由で、都会に避難したまま帰ってこない若夫婦の話とか、種まきから収穫までボランティアがしてしまうことが被災者支援と言えるのかという批判、あるいは、ボランティアをよく活用する家族と、まったくボランティアを頼りにしない家族との関係が悪くなり、地域の一体感がなくなってきているという地域もあるらしい。
 それは復興が進んで、被災地の住民が周囲を見ることができるようになった証拠だという意見もあるが、どこまで、あるいは、いつまでボランティアが関わるかというのは、被災地にとって大きな課題である。しかし、多くの被災地支援ボランティアは自分がいなければと思い込んでいる。
 そんな時、旭川市の旭山動物園で飼われていた、飛ぶはずのないフラミンゴが空を飛んで、石狩市まで行ったという話を聞いた。園長によると、自分でも飛べると思わなかったフラミンゴが羽ばたいてみたら、飛べてしまったと言うのだ。
 私たちは、被災地にボランティアが必要だと思い込むように、支援するキャンパーの能力を過小評価しすぎていることがあるのかもしれない。過保護になって、飛べるはずがないと勝手に思い込んでいることがないだろうか。子どもたちは自由に空を飛べる力をすでに蓄えているかもしれない。
 子どもたちの存在そのものを尊重する姿勢をいつも持っていたい。キャンプの主人公はキャンパーなのだから。


このコラムは、日本キャンプ協会 石田易司会長・星野敏男副会長・神崎清一常務理事・吉田大郎常務理事からなる論説チームが担当します。

CAMPING150号より転載