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From...新しい生き方を育てる場所

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 大きな困難に直面したとき、身近な人や住居、仕事を失い、希望や生きる力を見いだせないとき、人は一人では前に進めず、立ち尽くしてしまうものです。
 東日本大震災の被災地でお手伝いをさせていただく中で、直接に、あるいはボランティアをされている方々を通して、被災した方々の感謝の声をたくさん聞かせていただきます。それは、「寄り添ってくださる人がここにいるということに力づけられました」「もう一度、仕事を再開しようという元気とやる気をもらいました」という、「寄り添う人」の存在に感謝するものです。そして、「小規模ですが、仕事を再開しました」「3月11日から、長年書き続けていた日記を書けずにいたのですが、みなさんに来ていただいた4月から再開することができました」と、再び動き出した生活の様子を克明記して、希望を見いだしたことを教えてくださいました。
 「一人ではない」と思えることが大きな力になるのだと、改めて感じさせられます。

 今回の震災では、未曾有といわれる規模の自然災害によって、多くの人々の命と生活が失われ、今なお不安の中にあり続ける方々が多くいます。それに加えて、知の集積と考えられていた原子力発電所が、自然の前ではあまりにも脆かったということを目の当たりにしただけでなく、人為災害としての側面の大きさが明白になり、より多くの人が不安を抱えることになりました。
 このような状況の中で、今まさに新しい生き方、個人としてのあり方が求められています。
 相手の立場に立って寄り添うことができること。生かされていることに感謝し、今日の自分、明日の自分を大切にできること。そして、豊かな感性を持ち、人とのつながりの中で生きる喜びを感じられること。そのような生き方が必要とされているように思います。
 キャンプは、このような人のあり方を育てるとても優れた場所です。キャンプを通して、キャンパーだけでなく、リーダーやスタッフを育成すること、それが私の喜びです。


CAMPING 145号より転載
写真提供:針ヶ谷雅子